健康経営実践コラム2



働くみんなの保健室、保健師の渡邊です。

本日は、健康診断後の就業判定(医師等からの意見聴取)と事後措置についてお話しようと思います。

労働安全衛生法にて、年1回の定期健診やその他一般健診が事業者の義務として定められているので、会社では年1回またはそれ以上会社の負担で健康診断を行うことになります。
健康診断は、従業員が健康に働き続けることができるように確認するためのものです。
健診結果によっては今のまま仕事を続けると大きな病気につながりかねない、との理由で仕事内容を変更してもらわなくてはいけないことも生じてきます。

例えば…
高血圧の持病を持った方が、主治医に通っているのにもかかわらずお薬をちゃんと飲んでいない場合。
健康診断では問診票に「通院中」と本人が記載するため、健診結果の判定には「治療継続・通院中」などの判定が載ってきます。
ここで、例えば健診結果の数値を見ずに、『治療中でお医者さんに通っているから大丈夫』と社内の担当者が判断してしまうと、思わぬ落とし穴がある場合があります。
通院中であっても、しっかりと治療ができていない場合は血圧が高い状態になり、脳卒中などを起こすリスクが高まります。

つまり、健診後は、健診結果の数値を確認して、しっかりと治療・管理がされているか、今の仕事を続けても体調的に問題ないかを確認する必要があるわけです。

この作業は「就業判定(医師等からの意見聴取)」で行なわれます。
健康診断後、有所見者の結果を医師等に確認してもらうことが、事業主の義務として労働安全衛生法に定められています。
必要な場合は、その医師が意見書を記入し、事業主が仕事の調整(事後措置)をする流れとなります。
ここまでが法律で「義務」と定められており、また、ここまでやったことでやっと最低限の健康診断ができた、と言えると思います。
(保健師渡邊としては、「義務」の実施だけでなく、その他「努力義務」にある保健指導などを実施してはじめて健診の意味があると考えますが、その話は健康経営実践コラム1でお話したので、ここでは省きます。)

実際には健診結果で「有所見」の従業員の結果を医師に見てもらうわけですが、事前の資料準備の際には、「通院中」も含めた何らかの異常値(異常なし・心配なし以外の判定)がある従業員の結果をすべて医師に見てもらいましょう。
ここで安易に「有所見」を自己判断しては危険です。
体重のみが「経過観察」だった方、聴力だけが「経過観察」だった方などを、「少し体重が多いだけだから…」「耳が聞こえにくいのは歳のせいでしょ…」と医師に持参するための資料準備の時点で担当者が自己判断し省いてしまうと、企業のリスク管理の観点から危険です。
まずは、所見があったすべての方の結果を医師に確認してもらいましょう。

産業医がいる事業所の就業判定は産業医が行います。
産業医がいない事業場(50人未満の事業所)は、各事業所がある地域の「地さんぽ(地域産業保健センター)」に無料で依頼できます。

まずは、健診後に就業判定を必ず行い、大切な人財を守っていきましょう。

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働くみんなの保健室では、就業判定をサービスに含めた健康づくりサポートセットを提供しています。
小規模事業場が各地に点在し、その場所ごとの地さんぽに就業判定を依頼するのは難しい状況の場合もあります。
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